段階別!喘息発作が起きた時の対処法について

喘息発作は突然起きることが多く、日常的に不安を感じるのではないでしょうか。

治療をしていても環境や体調によっては、発作が起きてしまうこともあります。

発作には「小発作」「中発作」「大発作」と段階があり、症状から程度を見極め、適切な対処を行うことが最も重要です。

今回の記事では喘息発作が起きたときの、段階別の症状や対処法について説明します。必要な治療が遅れ、苦しい時間が長引いてしまうことがないよう参考にしてください。

◆当院の喘息治療について>>

1.喘息発作の段階とは


喘息発作が起きるきっかけはさまざまですが、発作の症状により「小発作」「中発作」「大発作」と3段階に分けられます。

発作の程度を判断するために確認するポイント
・息苦しさ
・会話ができるか
・普通に歩くことができるか
・チアノーゼ(酸素不足により唇や指先が青白くなる)
・意識の状態 など

治療はそれぞれの段階に合わせて行う必要があるため、段階別の症状の特徴を知っておくことが大切です。

小発作(軽度)の場合、会話は普通にできますが咳や軽度の喘鳴があります。苦しいけれど横にはなれる状態です。

中発作(中等度)の場合、咳や明らかな喘鳴が見られ、会話もやや困難になります。苦しく横になることが難しい状態です。

大発作(高度)では会話がとぎれとぎれになり、著明な喘鳴や酸素濃度の低下により唇や指先が青白く(チアノーゼ)なることがあります。苦しさを強く感じ、動けなくなる状態です。

大発作は危険な状態のため意識などをしっかり確認し、状況に応じて救急車が必要となります。

小発作、中発作であっても、喘息のコントロールができておらず不安定な状況だということには変わりありません。

薬の使用で症状が落ち着いても大丈夫だと決めつけず、慎重な経過観察を続け、早めにかかりつけ医に相談するようにしましょう。

【参考情報】『ぜん息発作の程度は、どのように見極めるのでしょうか?』環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/child/09_02_01.html

【参考情報】MayoClinic『Asthma attack』
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/asthma-attack/symptoms-causes/syc-20354268

2.段階にあわせた喘息発作時の対処法


発作の状況により命に関わる状態に悪化する可能性もあるため、発作の程度の判断と段階に合わせた対処法をしっかり把握しておくことが大切です。

普段から、かかりつけ医に発作時に使う薬や使い方(回数)、受診のタイミングを忘れずに確認しておきましょう。

2-1.小発作の対処法

小発作が起きたときは、まず、メプチン®やサルタノール®などの気管支拡張薬(短時間作用性β2刺激薬)を吸入し、改善すれば自宅で安静にして様子を見るようにします。

薬の効果は3~4時間ほどありますが、改善してからの経過も慎重に確認し、数日のうちにかかりつけ医に相談してください。

1回目の吸入で効果が見られず悪化する場合は、1回目の吸入から20分後に2回目の吸入を行います。

2回目も効果が見られない場合は再度20分後に3回目を吸入し、それでも改善しない場合は救急対応できる医療機関を受診してください。

2-2.中発作の対処法

中発作は苦しく横になれない状態のため、楽な姿勢を確保した上で気管支拡張薬(短時間作用性β2刺激薬)を使用します。

効果があれば経過観察をしっかり行った上で自宅で療養し、数日のうちにかかりつけ医に相談しましょう。

1回目で効果が見られない場合は20分おきに吸入を行います。3回の吸入でも改善しない場合は救急対応できる医療機関を受診してください。

2-3.大発作の対処法

大発作は危険な状態であることが多く、苦しさが強く動けなくなります。すぐに気管支拡張薬(短時間作用性β2刺激薬)を吸入し、速やかに救急対応できる医療機関を受診する必要があります。

自力で動くことが難しいため、可能であれば近くにいる人に助けてもらい、人がいない場合は救急車を呼んでください。

ネブライザーがある場合は救急車の到着まで吸入を続けて待つようにしましょう。

【参考情報】『発作が起こったら・・・』環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/attack.html

3.ピークフロー値の把握をしよう


ピークフロー値は思いきり息を吸い込んだ状態から、一気に息を吐き出したときの速さ(最大呼気流量)のことを言います。

取り扱いが簡単なピークフローメーターという器具を使用することで、自宅でも数値を調べることが可能です。

気道が狭くなると数値が低くなるため、数字から喘息の状態を客観的に把握することができ、喘息のコントロールに役立ちます。

ピークフロー値測定のポイント
・立位または座った状態で測定する(姿勢は毎回同じにする)
・同じ要領で3回測定し最大値を記録する
・毎日、朝・夕の2回測定する

数値をグラフ(喘息日記)に記録することで、低くなった時には発作が起こりやすいことや、変動が大きい時は気道の状態が不安定で過敏になっていることが把握できます。

普段の数値より低い数値が続く場合は喘息をコントロールできていないことをあらわすため、喘息日記を元にかかりつけ医に相談するようにしてください。

【参考情報】『自分のぜん息の状態を把握する』環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/condition/peakflow.html

【参考情報】Cleveland Clinic『Peak Flow Meter』
https://my.clevelandclinic.org/health/articles/4298-peak-flow-meter

4.おわりに

喘息発作には小発作、中発作、大発作と段階があるため、発作の程度に合わせた適切な対処を行うことがとても大切です。そのためにも段階別の状態を把握し、速やかに発作の程度を判断できるようにしておきましょう。

発作時に適切な対処が行えないことで症状がさらに重くなることもあるため、必要な薬は忘れず、常に持ち歩くようにしてください。

かかりつけ医には使う薬と使い方(回数)、病院を受診するタイミングを普段から確認しておいてください。

医療機関を受診するタイミング
・苦しくて眠れない
・気管支拡張薬(短時間作用性β2刺激薬)や内服薬の効果が不十分
・発作止めの薬が手元にない
・強い喘息発作の症状がある

発作が起こったときに、必要な治療が遅れることのないよう、夜間や休日に対応可能な病院を調べて、住所や電話番号を控えておくと安心です。

ピークフロー値の記録を忘れずに行い、喘息の状態を把握し、数値が低い時や変動が大きく不安定な場合は、早めにかかりつけ医に相談しましょう。