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その疲れ、睡眠時無呼吸症候群かも?ストレスとの違いを解説

最近、ずっと眠い、疲れが抜けないと感じていませんか?その原因を、ストレスや仕事によるものだと思っている方は少なくありません。

こうした症状の背景には、“睡眠の質の低下”が関係していることもあります。そのひとつが、眠っている間に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。

本記事では、ストレスによる不調との違いをわかりやすく整理し、医療機関への相談を検討する目安について解説します。

1. ストレスによる不調と睡眠時無呼吸症候群の違い


疲れや眠気は、ストレスによっても睡眠時無呼吸症候群でも起こるため、見分けがつきにくいです。

ただし、原因となる仕組みは大きく異なります。まずは、それぞれの特徴を整理してみましょう。

【睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする病気のこと】

1-1. ストレスによる不調の特徴

ストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れ、心身のさまざまな不調として現れることがあります。

特に働く世代では仕事や人間関係の影響を受けやすく、知らないうちに負担が蓄積しているケースも少なくありません。

代表的な症状としては、以下のようなものがあります。

・寝つきが悪い、途中で目が覚める
・食欲の低下や過食
・頭痛や肩こり
・気分の落ち込みやイライラ

これらは精神的な負担が大きく関係していると考えられており、休養をとる、生活リズムを整える、ストレスの原因から距離を置くといった対応で徐々に改善がみられることもあります。

一方で、症状が長く続く場合には、ほかの要因が関係している可能性も考えられるでしょう。

【参考情報】『ストレスとヘルスケア』国立精神・神経医療研究センター
[https://kokoro.ncnp.go.jp/health_howtocare.php](https://kokoro.ncnp.go.jp/health_howtocare.php)

1-2. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の特徴

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が一時的に止まる、または浅くなることで体に十分な酸素が行き渡らなくなる状態です。

この状態が繰り返されると、睡眠中に何度も覚醒に近い反応が起こり、睡眠が断続的になってしまいます。

主な特徴は以下のとおりです。

・大きないびきをかく
・睡眠中に呼吸が止まる(指摘されることがある)
・朝起きたときに頭痛やだるさがある
・日中の強い眠気

このように、睡眠が分断されることで深い眠りがとれず、体が十分に休息できない状態になってしまいます。

その結果、日中の眠気や集中力の低下につながることがあります。

ストレスによる不調が主に精神的・自律神経の影響で起こるのに対し、睡眠時無呼吸症候群は「睡眠中の呼吸の異常」が中心となる点が大きな違いです。

◆『睡眠時無呼吸症候群とは』について>>

【参考情報】『What Is Sleep Apnea? 』NHLBI, NIH 
[https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep-apnea](https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep-apnea)

2. 症状で見分けるポイント


ストレスによる不調か、睡眠時無呼吸症候群かを考える際には、「症状の現れ方」に注目することが大切です。

同じように見える眠気やだるさでも、その出方や続き方には違いがみられることがあります。それぞれの特徴を症状ベースで整理していきましょう。

2-1. 日中の眠気の違い

ストレスの場合は、疲れているときや緊張が続いたあとの反動として眠気を感じることが多く、しっかり休むことで改善することもあります。

一方で、睡眠時無呼吸症候群では、睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中に強い眠気が続くことがあります。たとえば、会議中や運転中など本来集中していたい場面でも眠気を感じたり、少し気を抜くとうとうとしてしまうといった状態です。

これは、眠っている間に呼吸が何度も乱れることで、深い睡眠がとれていないことが関係していると考えられます。そのため、「しっかり寝たはずなのに眠い」と感じやすくなるのです。

睡眠時間と眠気の強さが一致しない場合や、日常生活に支障が出るほどの眠気がある場合には、単なる疲労とは異なる要因が関係している可能性も考えられるので注意が必要です。

睡眠の質の低下が集中力や学力に与える影響は、成人だけでなく子どもにも深刻です。実際、思春期のいびきや睡眠時無呼吸症候群は学力低下の原因になる可能性があることが指摘されています。

◆『睡眠と集中力の関係』について>>

【参考情報】『Sleep Deprivation and Deficiency』NHLBI, NIH
[https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep-deprivation](https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep-deprivation)

2-2. 症状の現れ方の違い

ストレスによる不調と睡眠時無呼吸症候群では、症状の「現れ方」にも違いがあります。

ストレスの場合は、前述のとおり仕事や人間関係などの影響を受けて症状が強くなったり、休養をとることで軽減したりと、体調の波があることが多いとされています。また、精神的な負担と連動して症状が変化する点も特徴です。

一方で、睡眠時無呼吸症候群では、日によって大きく変動するというよりも、慢性的に同じような症状が続く傾向があります。たとえば、「毎日のように眠い」「常に疲れが取れない」といった状態が続くケースです。

このように、症状が一時的に強くなるのか、それとも継続的に続いているのかを振り返ることで、原因を考えるヒントになることがあります。

ただし、実際にはストレスと睡眠時無呼吸症候群が重なっている場合もあるため、ひとつの特徴だけで判断するのではなく、複数の視点から体の状態をみていくことが大切です。

【参考情報】『Sleep Apnea Symptoms and Causes』Mayo Clinic
[https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sleep-apnea/symptoms-causes/syc-20377631](https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sleep-apnea/symptoms-causes/syc-20377631)

3. 睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック


ここまでの症状の特徴を踏まえ、ご自身の状態に当てはまるものがないか確認してみましょう。

日常生活の中で見過ごされやすい症状も含まれているため、あらためて振り返ることが大切です。

□いびきが大きいと言われる
□睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
□朝起きたときに口や喉が乾いている
□日中に強い眠気がある
□夜中に何度も目が覚める

これらの項目は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の典型的な症状です。

特に、複数が当てはまる場合や、「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」「日中の眠気で仕事や運転に支障が出ている」という場合は、睡眠中に体への負担がかかっているサインといえます。

放置すると慢性的な疲労につながるだけでなく、生活習慣病のリスクを高めることもあります。

気になる症状が続く場合は、早めに医療機関へ相談し、専門的な検査を受けることを検討しましょう。

【参考情報】『Q15.夜、呼吸、いびきがとまると言われました』日本呼吸器学会
[https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q15.html](https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q15.html)

【参考情報】『Sleep Apnea』American Academy of Sleep Medicine
[https://sleepeducation.org/sleep-disorders/sleep-apnea/](https://sleepeducation.org/sleep-disorders/sleep-apnea/)

4. 受診を検討する目安


「どのタイミングで医療機関に相談すればよいのか」は、多くの方が迷うポイントです。

眠気やだるさは日常的に起こりうる症状ですが、続き方や生活への影響の出方によっては、背景に別の要因が関係していることもあります。

ここでは、相談を検討する目安について整理していきましょう。

4-1. 相談を検討したい症状

以下のような状態が続いている場合は、体の状態を見直す一つの目安になります。

・日中の眠気が強く、仕事や運転に支障が出ている
 → 集中力の低下や居眠りにつながるほどの眠気は注意が必要です

・いびきや無呼吸を家族や周囲から指摘された
 → 自分では気づきにくいため、重要なサインとなることがあります

・朝の頭痛や倦怠感が数日〜数週間単位で続いている
 → 睡眠による回復が十分に得られていない可能性があります

これらの症状が一時的ではなく繰り返し起こる場合や、生活に影響が出ている場合には、睡眠の質に何らかの問題が関係している可能性も考えられます。

特に、「しっかり寝ているはずなのに回復した感じがない」といった状態が続く場合は、一度体の状態を確認するきっかけとして、医療機関へ相談してみましょう。

◆『呼吸器内科でわかることとは?』について>>

【参考情報】『Symptoms and Diagnosis of Sleep Apnea』American Lung Association
[https://www.lung.org/lung-health-diseases/lung-disease-lookup/sleep-apnea/symptoms-diagnosis](https://www.lung.org/lung-health-diseases/lung-disease-lookup/sleep-apnea/symptoms-diagnosis)

4-2. 放置による影響

睡眠の質が低い状態が続くと、日常生活にも少しずつ影響が現れることがあります。

はじめは「なんとなく集中しづらい」「疲れが抜けにくい」といった軽い変化として感じられることが多いですが、次第に仕事の効率が落ちたり判断ミスが増えたりと、日常のパフォーマンスに影響することもあります。

また、十分に寝ているつもりでも回復した感覚が得られず、慢性的なだるさが続く状態になりかねません。

このような状態が続くと、「年齢のせい」「忙しさのせい」と見過ごされやすくなりますが、睡眠の質が関係している可能性も考えられます。

さらに、睡眠の状態によっては、体への負担が積み重なることで、生活習慣病などのリスクに関係することも指摘されています。

【参考情報】『睡眠と生活習慣病の深い関係』厚生労働省 
[https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-008](https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-008)

ただし、これらはすべての方に当てはまるものではなく、あくまで一般的な傾向として知られているものです。個々の状態によって現れ方は異なります。

そのため、「ただの疲れだから」と自己判断で様子を見続けるのではなく、日々の体調や症状の変化に目を向けながら、無理をせず状態を見直していくことが大切です。

◆『呼吸器内科で扱う症状』について>>

【参考情報】『Sleep Apnea and Heart Disease, Stroke』American Heart Association
[https://www.heart.org/en/health-topics/sleep-disorders/sleep-apnea-and-heart-disease-stroke](https://www.heart.org/en/health-topics/sleep-disorders/sleep-apnea-and-heart-disease-stroke)

5. 受診の流れと検査内容


「検査は大変そう」「入院が必要なのでは」といった不安から、受診をためらう方も少なくありません。

検査などは症状や状態に応じて無理のない方法で進められることが多く、まずは現在の状態を把握することが大切です。

ここでは、一般的な受診の流れと検査内容についてご紹介します。

5-1. 初診時の流れ

初診では、まず現在の症状や生活状況について確認する問診から始まります。日常の様子をもとに、睡眠の質や呼吸の状態について整理していきます。

具体的には、いびきの有無や大きさ、日中の眠気の程度(仕事中や運転中の眠気など)、睡眠時間や生活リズムなどについて確認されることが一般的です。

これらの情報をもとに、睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられるかを総合的に判断し、必要に応じて検査が検討されます。すべての方が同じ流れで検査に進むわけではなく、症状や状況に応じて段階的に進められます。

気になる症状がある場合には、まずは現在の状態を整理する目的で相談してみてもよいでしょう。

5-2. 主な検査方法

睡眠時無呼吸症候群の検査は、体の負担や日常生活への影響を考慮し、段階的に進められます。

① 自宅でできる「簡易検査」
まずは、指先や鼻にセンサーをつけて寝るだけの「簡易検査」から始めるのが一般的です。普段の生活環境で、睡眠中の呼吸や酸素の状態を手軽に測定できます。

② より詳しい「精密検査(PSG)」
簡易検査の結果、さらに詳細な分析が必要な場合は、脳波や睡眠の質まで調べる精密検査(PSG)を行います。

「精密検査=入院」というイメージを持たれる方も多いですが、現在は入院せず、自宅で機器を装着して行える精密検査を導入している医療機関も増えています。

「いきなり入院が必要になるのでは」と身構える必要はありません。多くの場合、まずは通院での問診や自宅での検査からスタートします。どのような検査方法が適しているかは、ライフスタイルに合わせて医師と相談しながら決めることができます。

まずは現在の症状を整理する目的で、リラックスして相談してみましょう。

◆『呼吸器内科で行う検査』について>>

6. おわりに

日中の眠気やだるさはストレスによるものと思われがちですが、睡眠の質の低下が関係している場合もあります。

特に、いびきや無呼吸、朝の頭痛、十分に寝ても疲れが取れないといった症状がある場合には、睡眠時無呼吸症候群が関係している可能性も考えられます。

気になる症状が続くときは無理に我慢せず、ご自身の状態を見直すきっかけとして、医療機関への相談を検討してみてください。

以下の症状がある方は、早めの受診をおすすめします

  • 咳が2週間以上続いている
  • 息切れや息苦しさを感じることがある
  • 痰がからんで気になる
  • 健康診断で肺や呼吸の異常を指摘された
  • 市販薬を飲んでも症状が改善しない

当てはまる項目がある方は、呼吸器専門医に相談してみませんか?

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