咳が出て頭が痛い!原因疾患や受診すべき診療科を解説

咳と頭痛、両方の症状がある場合、原因となる病気は多岐にわたります。そのため、どの受診療科を受診したいいのかわからず、一人で悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、咳と頭痛の両方がある場合に考えられる病気を紹介します。

原因が分かれば、治療によって咳・頭痛両方の症状が改善することが多いです。

症状に応じて受診したい診療科についても紹介するので、参考にしてください。

1.咳と頭痛、両方の症状がある病気

咳と頭痛に悩まされている人は、以下で述べる4つの原因に当てはまる可能性があります。

咳と頭痛の両方の症状がある場合、咳のしすぎや、鼻の病気による神経の圧迫、気圧の変化などの原因が考えられます。

原因によって対処法が異なりますので、参考にしてみてください。

1-1.一次性咳漱性頭痛

一次性咳嗽(がいそう)性頭痛とは、咳やくしゃみをしたり、トイレでいきんだときなどに、突発的に起こる頭痛です。

痛みは短時間で治まり、ほとんどの場合は経過観察で問題ありませんが、痛みが強いときは鎮痛剤を服用してもいいでしょう。

【参考情報】『一次性穿刺様頭痛,一次性咳嗽性頭痛,一次性労作性頭痛はどのように診断し,治療するか』日本頭痛学会
https://www.jhsnet.net/GUIDELINE/5/5-2.htm

【参考文献】Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/21071-primary-cough-headache

1-2.風邪などの呼吸器感染症

風邪やコロナなどの呼吸器感染症が原因で咳が出ると、咳のし過ぎで頭痛が生じることがあります。また、炎症により、頭痛や関節痛などの痛みが生じていることも考えられます。

その場合は、原因となる病気が良くなり咳が出なくなれば、頭痛もなくなっていくでしょう。

ただし、新型コロナウイルス感染症にかかった場合は、後遺症により咳や頭痛が長引く可能性もあります。

【参考情報】『新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kouisyou_qa.html

1-3.鼻の病気

副鼻腔炎のような鼻の病気になると、のどに流れ込んだ鼻水に気管支が刺激され、咳が出ることがあります。

一方、頭痛の原因は、副鼻腔の炎症や、炎症により生じた膿が顔にある三叉神経を刺激するためではないかと考えられています。

【参考情報】『鼻の病気』日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=21

1-4.喘息

喘息の症状として咳が含まれますが、台風の接近や気温の変化などの気候の変動によって、いつもより咳が出やすくなることがあります。

そして気圧の変化によって、咳とともに頭痛を感じることもあります。

「朝晩に咳がひどくなる」「特定の季節に症状が出やすい」などがある場合は、喘息の可能性が高いです。

特に2週間以上咳が続いている場合は、喘息や他の病気が隠れている場合もありますので早めに呼吸器内科を受診しましょう。

◆当院の喘息治療について>>

2.咳と頭痛がある場合に受診したい診療科

咳と頭痛がある時に、診療科を決める際の目安について説明します。

2-1.脳神経内科

風邪などで咳が出ると、咳のし過ぎで頭が痛くなることがあります、

しかし、咳が出なくなっても頭痛が続いている時は、咳のし過ぎ以外に頭痛の原因がある可能性があります。

咳が治まっても頭痛がよくならないときは、脳神経内科を受診するといいでしょう。以下のような病気の診断と治療ができます。

・片頭痛
・緊張型頭痛

また、咳に加えて徐々に頭痛がひどくなる時は、脳梗塞やパーキンソン病が原因で、誤嚥性肺炎が生じている可能性もあります。

◆当院の肺炎治療について>>

2-2.耳鼻咽喉科

咳と頭痛に加え、鼻水や鼻詰まりが続いているなら、耳鼻咽喉科を受診してみるといいでしょう。

例えば、以下のような病気が原因として考えられます。

・副鼻腔炎
・咽頭炎
・花粉症

風邪でも咳や頭痛、鼻水は生じるので、「風邪かな?」と思った時は、安静にして少し様子をみていても構いません。

「症状がひどくなってきた」「なかなか良くならない」と感じたときは、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

2-3.呼吸器内科

咳が激しくてつらい時や、咳が長引いている時は、呼吸器内科を受診して咳の原因を調べましょう。咳のし過ぎで、こめかみや頭が痛くなっている可能性があります。

例えば、「2週間以上咳が続いてる」「夜間や早朝など決まった時間に咳がひどくなる」ようなら、喘息や咳喘息が疑われます。

◆当院の咳喘息治療について>>

この場合、咳の原因となる病気に対して適切な治療をすれば、咳が治まるとともに、頭痛に悩まされることも少なくなってくるでしょう。

また、咳や頭痛に加え、急な高熱やのどの痛みを伴う場合は、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のような呼吸器感染症が疑われます。

2-4.頭痛外来

咳と頭痛のうち、頭痛に関する悩みの方が強いなら、頭痛外来を受診してもいいでしょう。片頭痛のような慢性的な頭痛から、別の病気で引き起こされた頭痛までを扱っています。

【参考情報】『認定頭痛専門医一覧』日本頭痛学会
https://www.jhsnet.net/ichiran.html

3.おわりに

咳と頭痛がある場合、頭痛より咳がひどいなら「呼吸器内科」、反対に頭痛の方が気になるなら「脳神経内科」か「頭痛外来」、咳と頭痛に加え、鼻の症状もあるなら「耳鼻咽喉科」の受診を検討しましょう。

いずれにしても、咳と頭痛の原因となる病気がわかれば、治療により両方の症状がよくなっていく可能性があります。

症状が軽くても、長く続いている場合は、念のため病院を受診して原因を調べましょう。