家に帰るとなぜ咳が出る?原因を知り対策しよう
家に帰るとなぜか咳が出て困ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。家に帰ると咳が出るのには、さまざまな理由があります。
たとえば、部屋の乾燥や温度差、アレルギー、または呼吸器疾患などです。これらが原因となり咳が出ている可能性が考えられます。
この記事では、それぞれの原因についてご紹介します。原因を理解し、適切な対策をすることで、健康的な生活を維持しましょう。
1. 家に帰ると咳が出る理由は?
ここからは、家に帰ると咳が出る原因の代表的な内容についてご説明いたします
1-1.部屋が乾燥している
部屋が乾燥していると、気道も乾燥し咳が出やすくなります。
秋や冬などの寒い季節は空気が乾燥しがちになるので注意が必要です。さらに、季節の変化だけでなく暖房を使うことも乾燥の原因のひとつと考えられます。
乾燥した気道はウイルスに感染しやすく、結果的に咳が出やすくなるでしょう。
1-2.外との温度差
室外と室内の温度差が大きいと、寒暖差アレルギーと呼ばれるアレルギーによって咳を引き起こすことがあります。
急激な温度変化がアレルゲンとなり、気道が刺激され咳が出るのです。
1-3.アレルギー
家の中にはダニ、ホコリ、カビ、ペットの毛など、さまざまなアレルゲンが存在します。
これらが原因でアレルギー反応を引き起こし、家に帰ると咳が出ることがあります。
【参考情報】Mayo Clinic “Allergies”
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/allergies/symptoms-causes/syc-20351497
1-4.呼吸器疾患による咳
喘息などの呼吸器疾患も家に帰ると咳が出る原因といえます。
とくに夜間に咳を引き起こしやすくなるのが特徴です。これは、夜は心身を休ませるために副交感神経が活発になり、気道が狭くなるためです。
2.家に帰ると咳がでる。対処法は?
家に帰ると咳が出る場合、ご自分でできる対処法をまずは試してみましょう。ここからは、簡単にできる対処法についてご紹介します。
2-1.湿度を適切な状態で保つ
適切な室内の湿度は40〜60%とされています。部屋が乾燥している場合、加湿器を使用して湿度を保つのがおすすめです。
ただし、過度な加湿はカビの発生を促し、アレルギーの原因となる場合があります。湿度計で湿度を測り、部屋の湿度が上がり過ぎないように気をつけましょう。
2-2.寒い時期には防寒対策を
寒い時期の防寒対策には、屋内と屋外の両方で実践できる次のような方法が効果的です。
屋内での対策として、厚手で長めのカーテンを使うのがおすすめです。窓からの冷気を遮断し、窓サッシに隙間テープを貼って冷気の侵入を防ぎましょう。
床にラグやカーペットを敷いて足元の冷えを防ぎ、サーキュレーターを使って室内の空気を循環させ、温度を均一に保つのもいいでしょう。断熱材を壁や屋根、床下に導入することで、外気の影響を軽減します。
屋外での対策として、温かい飲み物を保温効果のあるマイボトルで持ち歩くのもおすすめです。カイロや貼るカイロを使って体を直接温めます。防寒用インナーを着用して体温を保持し、防寒用アウター(ダウンジャケットやコートなど)を着用しましょう。
また、屋内と屋外の温度変化を少なくするには、間仕切り戸を設置して、冷気の流入と暖気の流出を抑える方法があります。
床暖房を導入して、足元から均一に部屋を暖めるのも良い対策です。窓に複層ガラスを使用して断熱効果を高め、窓サッシを熱伝導性の低い樹脂素材にすることも効果的です。これにより、熱の出入りを抑制できるでしょう。
2-3.こまめに掃除をする
ダニやホコリはアレルゲンの一つであるため、頻繁に掃除をすることも大切です。
カーペットや布製品、ベッドや布団、その周りはとくに注意して掃除しましょう。掃除機を使う際はHEPAフィルター付きのものを選ぶと効果的です。
また、定期的に換気を行い、室内の空気を清潔に保つことが重要です。
2-4.生活環境を見直す
生活する環境のなかにも咳の原因となるものがあります。
たとえば、家具や洗剤、芳香剤などは見直し、可能な限り自然由来の製品を使用するようにしましょう。
とくに、新しい家具やリフォーム後は、咳が多く発生するため、十分な換気が必要です。
【参照文献】環境再生保全機構 予防事業部 『特集四季のケア』
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/54/feature/
3. 対策しても咳が続く場合に考えられること
咳対策をしていても、家に帰ると咳が出たり、2週間以上咳が治らない場合には、病気が原因である可能性があります。ここからは、咳の原因となる病気についてご説明いたします。
3-1.喘息
喘息は慢性的な気道炎症を伴い、特有の咳を引き起こす病気です。季節の変わり目や気温の変化が激しい時期にとくに悪化しやすいとされます。
喘息の症状に対して市販薬では効果がありません。病院での適切な診断と薬の処方が必要です。 また、継続的な治療が必要なため、早期の診断と治療開始が重要といえるでしょう。
3-2.咳喘息
咳喘息は喘息と同じようですが、咳のみが症状として現れます。
放置すると3分の1の方が本格的な喘息に移行すると考えられています。早期に適切な治療を受けることが重要です。咳
喘息は、夜間や早朝に咳が悪化することが多く、適切な治療を受けないと症状が長引くことがあります。
◆『咳喘息とはどんな病気?咳が止まらなくなる原因と治し方』>>
3-3.アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、鼻水やくしゃみだけでなく、咳の原因にもなります。
とくにアレルゲンが多い環境では、症状が悪化します。アレルギー性鼻炎の症状を軽減するためには、アレルゲンの除去や適切な薬の使用が効果的です。
4. 呼吸器内科ではどんな検査をおこなう?
咳が出る原因を特定するために、呼吸器内科ではさまざまな検査を行います。
スパイロメトリーやアレルギー検査、胸部X線検査などが代表的です。これにより、咳の原因を詳細に特定し、適切な治療計画を立てます。
スパイロメトリーは、呼吸機能を測定する検査で、気道の狭さや肺の状態を評価します。
5.おわりに
家に帰ると咳が出る場合、部屋の乾燥や温度差、アレルギー、呼吸器疾患などの原因が考えられます。
咳を防ぐための対策方法として、湿度の調整や防寒対策、こまめな掃除、生活環境の見直しなどがあります。
それでも咳が続く場合、とくに2週間以上続く場合は、自己判断で対処するのではなく、早めに呼吸器内科を受診しましょう。
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